顎関節症例3

顎関節症 症例3

1.症例

不正咬合が原因で下顎位のズレた事による頑固な頭痛

この患者さんは22才男性の設計士で
口が開かない、ひどく頭痛がする、という悩みで受診されました
骨格は丈夫で、レントゲンでは顎関節に異常はありません
歯並びが悪く、上下の正中がズレています


歯のひっかかりが無くなる範囲で噛み合わせを挙げて、そっと口を閉じてみると上下の正中が一致します
…という事は、歯のひっかかりが問題なのかも知れないと考えました

下顎は頭の骨にぶら下がっているので、下顎位がずれると、ずらした位置に下顎をキープするために筋肉は緊張し続けなければなりません
しかも、どちらかの筋肉は常に緊張を強いられ、反対側は常に伸展を強いられる事になります

こうした筋緊張とアンバランスがこの人の開口障碍と頭痛の原因だと考えられます

という事は
下顎位を偏位させている歯のアタリを除けば自然な下顎位に戻る可能性があります

自然に口を閉じると右の奥歯だけが先にアタリます

この人はそこからズレて行きながら全部の歯が噛む位置まで噛み込まなければ食べられません

逆に言うと、食べるためにはいつも顎をずらさなければならないのです

この部のアタリに蹴られて下顎が左にズレて噛みこまなければならない

この部を削って調整した

咬合調整前

正中がずれている

咬合調整後

下顎位がほぼ修正された

2.治療結果

開口障害と頭痛が解消されました

咬合調整によって下顎のずれが治り、筋肉が過剰に、しかもアンバランスに緊張する必要が無くなったためです
頭の傾き、顎の突き出し、顔の非対称や緊張感なども改善しています

3.このケースから学ぶこと

先に、食いしばりが原因で激しい頭痛を訴えた例をあげましたが、同じ噛み合わせの不調でも実態は様々でワンパターンでは無いということが分かっていただけたでしょうか?

このケースのように、不調和な噛み合わせのアタリが下顎偏位を起こし
それが開口障害や頭痛の原因になり
さらにその影響が頭位や顔貌にまで及ぶ場合があります